家が貧乏でも、旧帝大学に進学できました。

~俺の道vol.2お金がなくたって、大学には行けるんだ編in恵迪寮~


0.企画趣旨


・この企画は、恵迪寮(けいてきりょう)に住んでいる様々なバックグラウンドを持つ人々にインタビューを実施することで、世の中にはいろいろな選択肢が存在するということ、またそんな人が身近にいる、ということを知ってもらうことで、中高生の進路についての判断の一助にしてほしいという思いから、立案されました。


1.今回のゲスト


北海道大学に在学している、Rさんです。

Rさんは、家庭の経済的な事情から、高校時代からアルバイトをしながら大学へ入学した苦学生です。


Q.Rさんは高校時代ずっとアルバイトをしていたとのことですが、どういった目的でアルバイトをしていたのでしょうか?

「家計が苦しかったので、自分の学費と大学生活の資金をためるためにアルバイトをしていました。」

‐高校ではアルバイトはOKだったんですか?‐

「校則ではOKだったんですけど、基本先生に許可を取らないといけなくて、先生の職員会議を経るって感じでしたね。多分僕だけだったと思います。家一軒建つくらいの借金が家にあったので、結構苦しかったと思います。」


Q.どういった子供でしたか?

「小学校のころは、2~3年おきに引っ越しを繰り返していたので、すごい仲のいい友達とかはいませんでしたね。ただまあ、普通に友達とサッカーしたり、読書をしたりしてました。あと中学校の時は、生徒会に入ってました。」

‐どういう本を読んでましたか?‐

「学校の図書室とかにある小説をだいたい読んでましたね、あとは宇宙とかの本も読むのは好きで、一日一冊くらいは読んでたような気がします。ただ、勉強はあまり好きじゃありませんでした」


Q.大学受験をするきっかけを教えてください

「もともと、宇宙に関する勉強をして、そういう専門職になりたかったという感じです。」

‐いつくらいから大学受験を目指していたのですか?‐

「もう高校に入学するときから考えてました。というか、そういうのを目指すのじゃなければ、親にすぐ働けって言われてたので。」


Q.受験勉強について教えてください

「高校2年生の夏までは、学校の勉強を中心にしてました。自分は英語と数学が苦手だったので2年の末からは、友達と一緒にやってました。最初は、東大を目指していたんですけど、北大にしてからは、学校の講習とか各大学模試を中心にやってました。北大は科目に重点をかけられるので、物理とかは、学校で使っているものよりもレベルが高いも参考書とかを買ってました。」


Q.現在どういった奨学金や授業料免除を受けていますか?

「今は、大学独自の授業料免除と、高3の時に予約採用された、給付型の奨学金をもらってます。」

‐授業料免除は全額免除ですか?‐

「奨学金を受けると、免除が減らされるので、免除の割合は4分の1ですね。ただ、奨学金と免除で学費と生活費はすべてまかなえてる感じです。」


Q.最後に、自分と似た境遇の中高生に向けて、メッセージをお願いします。

「大学進学を考えている場合は、やっぱり学力がものを言うので、ちゃんと日々の勉強をして、高校のころから奨学金とかの情報を漏らさないように収集した方がいいと思います。その際には周りの人を頼ることも一つの手だと思います。お金をかけないで大学に行く方法は探せばあるので、お金がないからといって進学をあきらめる必要はないということを伝えたいです。」


2.まとめ


Rさんの話を聞いてると、学費を全て親に出してもらっている自分が情けなく思っちゃいます。

進路選択に関しては、色々な選択肢があると思います。中学、高校ときて大学という枠にとらわれすぎずに、進路を考えてみるのもいいかもしれませんし、人に話を聞いてもらうだけでも、なにかが変わるかもしれません。

寺子屋恵迪(てらこやけいてき)では、毎週水曜日夜18時から20時までZOOMを使って勉強や進路等の相談を実施しているので、ぜひお気軽にお越しください


余談


この記事を書いた人:北海道大学法学部佐々木

最後に、僕が大学に入って印象に残った本から今日のテーマにあった一文を抜き出しておきます。


『ある夜、散歩していると、街灯の下で探し物をしている人物に会う。鍵を落としたので、家に帰れず困っているという。一緒に探すが、落し物は見つからない。そこで、この近くで落としたのは確かなのかと確認すると、落としたのは他の場所だが、暗くてなにも見えない、だから街灯近くの明るいところで探しているのだ、と。

我々は探すべきところを探さずに、慣れた思考枠にとらわれていないか。我々の敵は常識だ。


小坂井敏晶『人が人を裁くということ』岩波新書.2011年より


◯バックナンバー

俺の道vol.1「自由少年」

俺の道vol.2「勤労少年」

俺の道vol.3「努力少年」

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