国立の獣医学部に入る方法、教えます。

〜俺の道vol.4北大生1100人から定員5人の難関に通り抜けた秀才編〜in恵迪寮


0. 企画趣旨


この企画では、恵迪寮(けいてきりょう)に住んでいる様々なバックグラウンドを持つ人々にインタビューをしています。

世の中にはいろいろな選択肢が存在するということ、またそんな人が身近にいることを知ってもらうことで、中高生の進路についての判断の一助にしてほしいという思いからはじまりました。ぜひ参考にしてみてください!



1. 今回のゲスト


今回のゲストは、北海道大学獣医学部新3年生のYさんです。
Yさんは、北海道大学の特色である、総合入試によって入学し、定員5名の難関を潜り抜けたとても優秀な方です。総合理系の入学者は約1100人いるので、とても倍率も高くほんとうにすごい方です。


Q.出身高校について教えてください。

 出身高校は、典型的な自称進学校でした。その高校は規則が厳しく、特に頭髪チェックが厳格でした(全校集会終了後、出口に先生が二列に並び、両脇から生徒の髪型をチェックするといった徹底ぶりに最初は驚きました)。その他にこれといった特徴は無いですが、フレンドリーな先生が多かった気がします。


Q.どういった子供でしたか。

 小学校の頃は野球をしていて、グラウンドや公園で遊びまわる快活な野球坊主だったと思います。小学校の頃はあまり勉強をせず、夏休みの宿題もやらず、提出物も親に渡さずランドセルの中でくしゃくしゃにするような子供でした。

‐読書とかはしてましたか?‐

 読書は特にしていませんでした。活字が苦手で、図書館で本を借りることもほとんどありませんでしたが、大学に入って小説を読めるようになりました。


Q.大学受験をするきっかけを教えてください。

 特に理由はないのですが、中学校の頃から漠然と大学に行くことを考えていました。自分は第一志望の高校の推薦入試と一般入試の両方に落ち、第二志望校にも落ち、結果的に滑り止めの高校に合格した身で、「このままでは終われない、次こそは…」という感情も重なって大学受験をしないことは考えられないといった感じでした。

‐受験について、悩んだように思われますが、誰かに相談しましたか‐

 担任の先生に相談していました。本当は地元の大学を受験する予定だったのですが、3年の10月頃に北海道大学に行きたいと思い始めて、それを担任の先生に相談して問題集などを持ってきてもらっていました。親には直前まで受験しようとしている大学を変えたことを言わなかったのでかなり怒られたのを覚えています。


Q.受験や総合理系から獣医に移行した際の勉強について教えてください。

 受験勉強は高校三年の夏ごろから始めました。高校二年までは学校で配られた問題集をテスト前に解くといった感じでした。三年生からは友人が通っていた塾に通い始め、問題集を自身で購入してそれを塾に持って行って勉強するといったスタイルでした。

 総合理系の時は、行きたいと思った学部に行けるように良い単位を取ろうと勉強を頑張りました。テストで単位が決まる場合は、テスト二週間前くらいから教科書にある章末問題などを解き、レポートで単位が決まる場合は必ず考察を3~5個以上書き、文献をたくさん引用するようにしました。

‐獣医学部に移行した理由ってあるんですか?-

 総合理系の進路説明会があって、そこで工学部や薬学部、獣医学部などいろいろな学部の説明を聞いて、その中でも獣医学部の感染症の研究に惹かれて獣医学部に入りたいと思いました。


Q.恵迪寮に住もうと思った理由を教えてください

 親に金銭的な面で一人暮らしはさせられないと言われたので恵迪寮に住んでいます。初めて恵迪寮に来た時、すごいところに来てしまったなと思ったのですが、意外に一年生活すると慣れるものなのだと実感しました。それでも、一人暮らしをしてみたいと今でも思っています。


Q.将来の目標について教えてください。

 将来の目標は、楽しく過ごすことです。そのために、とりあえずなりたい職業や、将来やりたいことを決めないといけないなと最近感じています。なりたい職業は獣医師ではないです。


Q.獣医を目指している人へメッセージをお願いします。

 獣医学部での授業は比較的に面白い授業が多いので(例:解剖学…焼き肉や焼き鳥の部位について詳しく分かる、微生物学…コロナウィルスについて詳しく知ることができる、などなど…)、飽きずに楽しめます。獣医学部は全国的に数が少なく、入るのが比較的難しい学部だと思いますが、しっかり勉強して合格目指して頑張ってください。


2. まとめ


北大だけでなくほかの大学でも実施されており、いろいろ批判もある綜合入試ですが、大学に入学したあとに本当に興味のある学問を学べる機会が得られるという制度の理念は本当に素晴らしいものであると思います。

進路選択に関しては、色々な選択肢があると思います。中学、高校ときて大学という枠にとらわれすぎずに、進路を考えてみるのもいいかもしれませんし、人に話を聞いてもらうだけでも、なにかが変わるかもしれません。

 寺子屋恵迪(てらこやけいてき)では、毎週水曜日夜18時から20時までZOOMを使って勉強や進路等の相談を実施しているので、ぜひお気軽にお越しください。


3. 筆者の余談


 ノエル・ノイマンは政治学とマスコミュニケーションにおける研究の中で「沈黙の螺旋」なる仮設を提唱しました。すなわち、「少数派・劣勢であると自覚している人は多数派からの反対や孤立を恐れて自分の意見を表に出しづらくなることを想定」しているのです。

 前述のとおり、北大における総合理系からの獣医への定員はたったの5名。全体で1100人ほど存在する総合理系の中では圧倒的に少数派です。

 このように、日常のどんな場面でも自分が少数派であると自覚することはあり得ます。前述の「沈黙の螺旋」を打破する方法の一つとしては、議論などの中で「悪魔の代弁者」つまり、「多数派にあえて反対する者」を用意することです。これにより、グループのほかのメンバーも気兼ねすることなく自由に意見をすることができるようになります。


 皆さんも自分が「悪魔の代弁者」となったり、もしほかの人が「悪魔の代弁者」となったときは、それを最大限生かしてもらえば、将来に向けて多様な選択肢を残すことができると思います。


◯バックナンバー

俺の道vol.1「自由少年」

俺の道vol.2「勤労少年」

俺の道vol.3「努力少年」

俺の道vol.4「獣医少年」←now!!

寺子屋恵迪(てらこやけいてき)'s Ownd

寺子屋恵迪は2022年3月をもって活動を終了しました。

0コメント

  • 1000 / 1000